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集中力をあげる栄養素 :GABAを体にとりれるとどうなるの?
GABAはγ-アミノ酪酸とも呼ばれる脳内神経伝達物質です。GABAはグルタミン酸から作られるのですが、構造がよく似ているにも関わらず、グルタミン酸が興奮性の神経伝達物質であるのに対し、GABAは抑制性の神経伝達物質として働きます。興奮を鎮め、リラックスを促す役割を果たしています。
GABAはこれまでにも降圧効果などが報告されて特定保健用食品に用いられています。
GABAは脳内神経伝達物質であることから、摂取され体内に入ったGABAは血液脳関門を通って脳内に取り込まれることはありません。GABAを与えるとタンパク質の合成を促す成長ホルモンが増加します。
大脳皮質や海馬などでたんぱく質合成を測定すると、GABAの投与量に比例してたんぱく質の合成速度が上がります。これが脳機能に影響を与える機序だと考えられています。リラックス効果を調べるための面白い実験(※2)があります。高所恐怖症の男女に、日本最長の吊り橋を渡ってもらい、吊り橋を渡る前のGABAの摂取の有無におけるストレスに関わる体内物質の量の変化率を比較しました。その結果、GABAを摂取しなかった群は吊り橋を渡ることによりストレス指標が増加したのに対し、GABAを摂取した群は増加せずに、反対に低下していたのです。
GABA入りの飲み物やお菓子が売られていますが、トマトやジャガイモ、ナスなどの野菜や果物、発酵食品など日常摂取する食材にも多く含まれています。
集中のためにはリラックスが重要です。集中したいときこそ適度にリラックスタイムを作り、その時にテアニンやGABAを取り入れてみてはいかがでしょうか。
※スタミナをつけるために必要な栄養素や食事については スタミナのつく 食事ってどんなもの?をご覧ください
<監修>
栄養管理士・山本ともよ
<※1・2>
http://www.nyusankin.or.jp/health/health1-20.html
http://hfnet.nih.go.jp/contents/detail622.html
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