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リスクを知っておこう
次に、「 1日1食 」を取り入れた場合の、想定されるリスクを考えておきましょう。長寿遺伝子は1日の摂取カロリーを標準摂取カロリーの7〜8割に制限することで活性化されることがわかっています。ただし、「 1日1食 」にすると、7〜8割をさらに下回ってしまう可能性があります。また、1日に摂るべき栄養素を1食で満たすことは難しく、本来必要な栄養素も不足してしまいがちです。たんぱく質やビタミン・ミネラルが不足すれば、肌が荒れたり抜け毛が増えてしまいます。
体内の糖分が不足するとケトン体が作られますが、脂肪酸だけでなく、同時にたんぱく質も分解されてしまいます。身体を作る元となるたんぱく質が不足すれば、今ある筋肉が分解され、基礎代謝の低下につながります。たとえ痩せたとしても、基礎代謝が落ちてしまうと身体は少量の栄養素でも溜め込みやすくなり、エネルギーを燃やす力も落ちてしまうので、リバウンドしやすい体質になってしまいます。
上手な取り入れ方は?
それでは、「 1日1食 」の利点を生かし、リスクを避けるにはどうしたら良いのでしょうか。実は、この方法を取り入れている人たちは、野菜ジュースや果物などの間食を摂っており、これは「1食」にはカウントしていないようです。「食事としてしっかり食べるのは1日1回」というニュアンスに近いのです。ここに、ヒントがあります。
1日1回の食事以外一切食べないことにはリスクが伴います。食事は1日3回があくまでも原則であり、毎食の食事量を減らして1日トータルのカロリーを7〜8割に抑えればいいのです。そのための1つの方法として、「1食はしっかり食べ、あとの2食はカロリーを抑えた間食」ということであればリスクは軽減します。
確かに、内臓を一時的に休めてあげることは、身体に良い効果をもたらすこともたくさんあるでしょう。しかし、「 1日1食 」を厳密に行おうとしたり、これを長期間続けることはお勧めできません。誰かにとって良い方法でも、必ずしも自分に適しているとは限りません。必ず自分の身体の反応に目を向け、無理のない程度に実践してください。
執筆:山本ともよ(やまもと・ともよ)
管理栄養士、サプリメントアドバイザー、食生活アドバイザー。株式会社とらうべにおいて、企業で働く人の食と健康指導、糖尿病などの疾病を持つ人の食生活指導にあたっている
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