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疲れた時に 甘いものと辛いもの のワケ
自律神経は、過度な疲労を感じているとき、交感神経(=戦闘モード)が優位になっています。そういう時には、副交感神経(=リラックスモード)を優位にしようと働きます。そこで、一番手っ取り早く副交感神経を刺激するのが「食べること」なのです。
その中でも糖分や、エネルギーに変わる唐辛子などの辛み成分は、エネルギー代謝を活発にさせる働きに即効性があります。脳は経験から、早く元気を出したいときに甘いものや辛いものを欲するということが考えられています。
しかし、それは一時的な対処であり、疲労を回復しているわけではありません。それどころか、エネルギー代謝が活発になれば体力の消耗は増し、むしろ疲労を増強させてしまいます。
本当に疲労回復に役立つ栄養素
精神的疲労と肉体的疲労のどちらにも欠かせないのが
・糖質
・たんぱく質
・ビタミンB群
・ビタミンC
・クエン酸
です。素早くエネルギー源となるのは糖質なので、糖質でエネルギーを補給することが有効であると考えられます。
つまり、疲れた時には「甘いもの(糖質)」を摂るのは対処のひとつと言えます。ただし、チョコレートやアメなどの糖質だけでは疲労を増強しかねません。ここに挙げた栄養素は全て一緒に摂ることが大切です。
疲弊した身体を修復するたんぱく質、糖質の代謝を助けるビタミンB1、脂質の代謝を助けるビタミンB2、神経細胞の働きを正常に保つビタミンB12、ストレスで大量に消耗されるビタミンCを補給することが疲労回復につながるのです。
疲れを感じた時、どうしてもすぐにエネルギーが必要であれば、「甘いもの」を摂ることが効果的です。ただし、一時的な対処ですから、体力の消耗を極力抑え回復するために休養をとることが一番大切です。
合わせて、主食(糖質)、主菜(たんぱく質、ビタミンB群)、副菜(ビタミンC、クエン酸)をそろえた食事で、エネルギーを作り、身体を回復させる栄養素を補いましょう。
辛いものは、それだけで摂るより、食事のトッピングとして使用するなど、バランスのいい食事にプラスするのが食欲増進効果もあっておすすめです。過剰摂取は胃腸の負担になりますので、食べ過ぎには気を付けましょう。
<執筆>山本ともよ(管理栄養士)
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