うつ病の治療でセカンドオピニオンを受けてもいいの?

Mocosuku(もこすく)
  • うつ病の治療でセカンドオピニオンを受けてもいいの?

  • Mocosuku(もこすく)
医療資格者や専門家だけの記事を配信

うつ病の治療でセカンドオピニオンを受けてもいいの?

公開日時

うつ病でのセカンドオピニオン

うつ病でセカンドオピニオンを受けるメリットは、これまでの経緯を振り返り、まとめることで、自分のメンタルの状態を整理できることです。また、これまでの主治医の説明を、別の角度から理解する機会にもなるでしょう。主治医には聞けなかった疑問点を聞くこともできます。

 

現在の治療を続けていることに疑問がある、ちっともよくならない気がする、治療方法や薬などがこれでいいのかなど、不安やモヤモヤがあるならば、セカンドオピニオンはよいチャンスになり得ます。セカンドオピニオンを受けた結果、現在の診断・治療が間違っていないことを確認できれば、不安も取り除くことになり、主治医との関係は良好になるでしょう。

 

デメリットは、これまでの経緯をもう一度話をしなくてはいけないことです。ある程度長期間にわたって治療を受けている場合は、この作業は少々面倒かもしれません。

 

また、セカンドオピニオンが正しいかどうかも自分ではわかりません。場合によっては、セカンドオピニオンの結果を主治医にフィードバックして、それでも疑問が残る場合は、さらに別の医師によるサードオピニオンを受ける必要があるでしょう。ただし、相談先を3つ、4つと増やしていくと、結果的にどうしていいのかわからなくなってしまうリスクもあります。

 

うつ病の診察では、主に患者が症状を申告する問診形式が主流です。医療機関によっては、光トポグラフィーという装置を使って脳の状態を検査し、診断の補助としているところもあります。また、血液検査を取り入れているところもあります。そうした、別の視点からのオピニオンを受けることも重要と言えます。

 

セカンドオピニオンを受ける際の注意点

大切なことは、「何を目的にセカンドオピニオンを受けるのか」ということです。単に、現在かかっている医師の治療方針(ファーストオピニオン)が正しいかどうかを尋ねても、大きな間違いがなければ、「正しい」という答えが返ってくるでしょう。これでは、セカンドオピニオンを受ける意味がありません。

 

セカンドオピニオンを受ける際は、自分がファーストオピニオンに対してどんな疑問を持っているのか、不安な点は何なのかをしっかり整理して、何を聞きたいのかを明確にしてから受診する必要があります。なお、セカンドオピニオンは「診療」ではなく「相談」なので、保険診療ではなく自費診療となる点は覚えておきましょう。

 

また、現在の医師の下で行われた検査結果やデータを持参しないと、その患者個人の話ではなく、一般論になりがちです。セカンドオピニオンを受けるに当たっては、その旨を現在の医師に伝え、可能な限りデータを持参しましょう。

 

そして、セカンドオピニオンで得た情報を主治医に持ち帰って伝えることが大切です。別の医師から得られた意見が同じでも違っても、きちんとフィードバックしましょう。違っている場合は、主治医は別の視点からあなたの病気を考えてくれるはずです。

 

情報が増えたぶん、選択肢も増えて、より納得のいく診断や治療を検討することになります。セカンドオピニオンは、患者にとって最善と思える診断や治療を患者と主治医との間で判断するという意義があるのです。その結果、今後の受診先の医師や医療機関を変えることになる場合もあります。

 
 

執筆:南部 洋子(看護師)
監修:川口 佑(医師、新宿ストレスクリニック院長)

スポンサーリンク

先週よく読まれた記事

ヨガはどうしてカラダに良いの? 医学的に掘り下げてみよう

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 昨今のヨガブームにより、趣味としてヨガを楽しまれている方も多いのではないでしょうか。 「なんとなく健康に良さそう」というイメージの強いヨ...

不眠症ならぬ「過眠症」をご存じですか? 症状や原因とは

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは自分の睡眠に満足していますか? 睡眠の悩みと聞くと、多くの方が思い浮かべるのは「不眠症」でしょう。 しかし、「過眠症」で悩んでい...

朝起きたら首が… やっかいな「寝違え」の原因と治し方

執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師) 医療監修:株式会社とらうべ 「朝起きたら首が痛い・・・寝違えたかも!?」 このような経験、どなたも一度はあるでしょう。 そもそも寝違えはどうして...

冷え対策に、「温活」をはじめよう!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 婚活、妊活、終活など、最近は「〇活」というコトバがよく使われています。 「温活」もそのうちのひとつで、今や書籍やインターネットなどあちこ...

「失神」と「睡眠」の違い どこに注目すればいい?

執筆:南部 洋子(看護師) 監修:坂本 忍(医師、公認スポーツドクター、日本オリンピック委員会強化スタッフ) 「失神」と「睡眠」の違い、見た目ではなにがどう違うのか、わかりませんよね。 例えば、飲み会...

つった! 寝ていたら足がつるのはどうして?対処法は?

執筆:山村 真子(看護師・西東京糖尿病療養指導士) 夜寝ている時、突然足がつってしまい、激痛で目が覚めた! そんな経験をされた方、いらっしゃいませんか? 突然起こる足のつり。どうしてこのようなことが起...

働く人に増えている「適応障害」 原因となる3つのパターン

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 環境にうまくなじめないことから、落ち込んだり、意欲や自信を喪失したり、イライラして怒りっぽくなったり、体調面が悪くなったり、場合...

【メンタルヘルス】新着記事

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

自律神経に良い『トリプトファン』を効果的に摂取してハッピー♪になろう

執筆:磯野 梨江(管理栄養士) 医療監修:株式会社とらうべ 「トリプトファン」はアミノ酸の一種です。 トリプトファンが不足すると精神的に不安定な状態や不眠などを招き、やがて自律神経や体内リズムの乱れ...

2019/07/16 18:30掲載

春のメンタル不調…対策は早めが鉄則。適度な「ズボラ」も大事!

春のメンタル不調…対策は早めが鉄則。適度な「ズボラ」も大事!

執筆:吉村 佑奈(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ この春、多くの新入生や新社会人の方が新たな生活をスタートされたことと思います。 あるいは、家族の学校や仕事の変化に伴い、生活環境や生活...

2019/05/21 18:30掲載

今どきの「五月病」と最近増えている「六月病」…原因と対策

今どきの「五月病」と最近増えている「六月病」…原因と対策

執筆:藤尾 薫子(保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 例年、この時期になると話題になるココロの不調「五月病」。 今や言葉としてすっかり定着しましたが、最近は五月ではなく六月に同じような状態にな...

2019/05/14 18:30掲載

10人に1人とも言われる「産後うつ」は、予備知識も大事

10人に1人とも言われる「産後うつ」は、予備知識も大事

執筆:座波 朝香(助産師・保健師・看護師) 医療監修:株式会社とらうべ 産後のメンタルヘルス不調、いわゆる「産後うつ」は、今や10人に1人は経験するとも言われています。 出産という大仕事を果たした後...

2019/03/13 18:30掲載

大人の悪夢はストレスが原因? 『悪夢障害』とは

大人の悪夢はストレスが原因? 『悪夢障害』とは

執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ あなたは悪夢に悩まされていませんか? 繰り返し見る悪夢によって睡眠が妨げられ、日常生活にまで支障を来す状態を「悪夢障害」と呼び、医...

2019/03/08 18:30掲載

芸能人にも多いパニック障害… 近年増加している理由は?

芸能人にも多いパニック障害… 近年増加している理由は?

執筆:伊坂 八重(メンタルヘルスライター) 医療監修:株式会社とらうべ 昨年、アイドルグループ「Sexy Zone」の松島聡さんが突発性パニック障害であることを公表し、芸能活動の休止を発表したことは記憶に...

2019/03/05 18:30掲載