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うつ病でのセカンドオピニオン
うつ病でセカンドオピニオンを受けるメリットは、これまでの経緯を振り返り、まとめることで、自分のメンタルの状態を整理できることです。また、これまでの主治医の説明を、別の角度から理解する機会にもなるでしょう。主治医には聞けなかった疑問点を聞くこともできます。
現在の治療を続けていることに疑問がある、ちっともよくならない気がする、治療方法や薬などがこれでいいのかなど、不安やモヤモヤがあるならば、セカンドオピニオンはよいチャンスになり得ます。セカンドオピニオンを受けた結果、現在の診断・治療が間違っていないことを確認できれば、不安も取り除くことになり、主治医との関係は良好になるでしょう。
デメリットは、これまでの経緯をもう一度話をしなくてはいけないことです。ある程度長期間にわたって治療を受けている場合は、この作業は少々面倒かもしれません。
また、セカンドオピニオンが正しいかどうかも自分ではわかりません。場合によっては、セカンドオピニオンの結果を主治医にフィードバックして、それでも疑問が残る場合は、さらに別の医師によるサードオピニオンを受ける必要があるでしょう。ただし、相談先を3つ、4つと増やしていくと、結果的にどうしていいのかわからなくなってしまうリスクもあります。
うつ病の診察では、主に患者が症状を申告する問診形式が主流です。医療機関によっては、光トポグラフィーという装置を使って脳の状態を検査し、診断の補助としているところもあります。また、血液検査を取り入れているところもあります。そうした、別の視点からのオピニオンを受けることも重要と言えます。
セカンドオピニオンを受ける際の注意点
大切なことは、「何を目的にセカンドオピニオンを受けるのか」ということです。単に、現在かかっている医師の治療方針(ファーストオピニオン)が正しいかどうかを尋ねても、大きな間違いがなければ、「正しい」という答えが返ってくるでしょう。これでは、セカンドオピニオンを受ける意味がありません。
セカンドオピニオンを受ける際は、自分がファーストオピニオンに対してどんな疑問を持っているのか、不安な点は何なのかをしっかり整理して、何を聞きたいのかを明確にしてから受診する必要があります。なお、セカンドオピニオンは「診療」ではなく「相談」なので、保険診療ではなく自費診療となる点は覚えておきましょう。
また、現在の医師の下で行われた検査結果やデータを持参しないと、その患者個人の話ではなく、一般論になりがちです。セカンドオピニオンを受けるに当たっては、その旨を現在の医師に伝え、可能な限りデータを持参しましょう。
そして、セカンドオピニオンで得た情報を主治医に持ち帰って伝えることが大切です。別の医師から得られた意見が同じでも違っても、きちんとフィードバックしましょう。違っている場合は、主治医は別の視点からあなたの病気を考えてくれるはずです。
情報が増えたぶん、選択肢も増えて、より納得のいく診断や治療を検討することになります。セカンドオピニオンは、患者にとって最善と思える診断や治療を患者と主治医との間で判断するという意義があるのです。その結果、今後の受診先の医師や医療機関を変えることになる場合もあります。
執筆:南部 洋子(看護師)
監修:川口 佑(医師、新宿ストレスクリニック院長)
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