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そもそも「怒り」とは?
怒りは人間の原初的な感情といわれます。
ある心理学者は「危険にさらされたという意識が怒りを喚起する万人共通の要素」と指摘しています。この「危険」には、災害や事故といった物理的な「危険」だけでなく、名誉や自尊心への中傷、侮辱、不当な扱い、無礼、大切な目標達成を邪魔されたなど、心理的・社会的な「危機」も含まれているといわれます。
感情や情動は「喜怒哀楽」ともいわれますが、快・不快でいえば、怒りは不快な感情であり、悲しみやさびしさなどと比べると、不快な感情群の中でも受身的ではありません。
程度や場合によっては、物を壊したり、人に暴力・暴言をふるったりといった、攻撃的な行動に走ることもあります。
怒りのメカニズム
野村理朗(認知神経学者、京大准教授)氏は、脳科学と心理学を融合させて、怒りのメカニズムを解明しています。
それによると、脳の偏桃体(へんとうたい)が、物理的・心理的・社会的な脅威を察知すると、身体にストレス反応を起こすホルモンの「アドレナリン」を分泌し、その結果、心拍や血圧、呼吸数の増大、骨格筋への血液増加、発汗などが生じるのが、怒りの生理的メカニズムとのこと。
こうしたプロセスは、身体の内部では自律神経が興奮している状態ですが、この状態を感知した偏桃体は、さらに、アドレナリンを分泌して怒りを大きくしていくこともあります。その結果、攻撃的な行動に走ってしまいます。
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