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寒い季節に流行しやすい感染症の予防
基本の予防は、免疫力を下げないよう日々の健康管理をすること。日頃から3食バランスよく食べ、適度に運動し、しっかり睡眠をとりましょう。
とくに、毎日しっかり朝食を食べて基礎代謝を上げ、体温を下げない身体づくりが重要です。
予防接種については、ノロウイルス、RSウイルスに有効なワクチンはありません。予防接種が有効なのはインフルエンザです。
インフルエンザは、11月頃から流行し始めます。ワクチン接種で免疫がつくのに2週間かかるため、11月中にはワクチン接種を済ませておくと良いでしょう。
感染経路を断つという予防面では、ウイルスを体内に入れず、周りにも移さない配慮が必要です。
ご紹介した3つの感染症は、どれも飛沫感染と接触感染によって流行していきます。うがい、手洗い、外出時や咳・くしゃみが出る時はマスクをつける、といった基本の対策をとりましょう。
ノロウイルスRSウイルスは、次亜塩素酸系の消毒薬に弱く、普段何気なく触っているドアノブや電気スイッチ、手すりなどの消毒をすることも有効です。また、周囲に下痢・嘔吐の症状がある感染者への対応にも注意が必要です。
吐物や汚染物を素手で触ったり、マスクをせず汚染物の処理をすると、体内にウイルスを侵入させやすくなります。汚染物を処理するときには、使い捨てのマスク、手袋、ビニールエプロンを着用し、汚染した床などを消毒するようにしましょう。
そのほか、ノロウイルスは二枚貝を介して感染しやすいため、二枚貝の生食は避け、食べる場合は中まで火が通るように1分以上加熱調理するようにしましょう。
それでも感染してしまった時の対策
インフルエンザは発症してすぐであれば、「タミフル」という治療薬が有効です。インフルエンザを疑う症状があったら、早期に受診すると、重症化を防ぎ、早期回復につなげることができます。
それ以外に、基本的にこれらの感染症はつらい症状を緩和するための対症療法をとって自然治癒を待ちます。
その際、症状にあった対処をしないとかえって悪化させる場合があります。
とくに、ウイルス性の下痢・嘔吐などは、体外にウイルスを排出するための防衛反応として起こります。自己判断で市販薬を使用したりせず、医療機関を受診し、診断・処方してもらうことが大切です。
また下痢や嘔吐、発熱が続くと心配になるのが体力の消耗と脱水症状です。
水分が摂れるようなら、経口補水液などでこまめに水分を補給します。嘔吐などの症状が落ち着き、食べられるようになったら、消化の良い温かいものを少しずつ摂るようにしましょう。
症状が治まったとしても、体力や免疫力は低下しています。
無理をせず、少しずついつもの生活に身体を慣らし、ほかの感染症にかからないようにしましょう。
<執筆者プロフィール>
井上 愛子(いのうえ・あいこ)
保健師・助産師・看護師・保育士。株式会社とらうべ社員、産業保健(働く人の健康管理)のベテラン
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