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「秩序破壊的・衝動制御・素行症群」
上のサブタイトルは、『DSM-5(アメリカ精神医学会;精神疾患の分類と診断の手引き、最新版)』の中で、“短気そのものが病気とみなされる項目”を取り扱っているカテゴリー名です。
とくに次の2つは「病気としての短気」とみなしてもよいでしょう。どちらも「度を超えた激しさ」をもって、病理性があると判断しています。
反抗挑発症
しばしば、かんしゃくを起こす、神経過敏、イライラしやすい、口論する、積極的に反抗する、自分の失敗や無作法を他人のせいにする、意地悪で執念深いといった傾向が5歳以上の場合、1週間に1回、少なくとも6か月にわたって続いている
間欠爆発症
攻撃性衝動の制御不能による反復性の行動爆発。ことばでの攻撃、または所有物・動物・他者への身体的攻撃、所有物の損壊や破壊、または動物や他者を負傷させる
精神疾患との関連性
上記の頻繁で程度の強い短気の障害が、どのような疾患の症状と鑑別(=区別)する必要があるか、『DSM-5』では次のような病名が挙げられています。
・うつ病
・双極性障害
・重篤気分調節症
・精神病性障害
・反社会性パーソナリティ障害
・境界性パーソナリティ障害
・ADHD(注意欠陥。多動症)
・自閉スペクトラム症
・頭部外傷
・アルツハイマー病
・物質使用障害
・嗜癖性障害
このように、多くの精神疾患や頭部障害のような身体疾患でも、短気が病気の発症や、病気の症状として関連していることを示唆しています。
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