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睡眠の質はどんな効果をもたらすか?
一般に、睡眠の質が高まると次のような効果があると言われます。
・心身の疲れが取れる
・日中、眠気を感じない
・意欲的に活動できる
・イライラしない
・ストレスに強くなる
・集中力が高まる
・記憶力・学習効果が上がる
・免疫力のアップ
・生活習慣病の予防
・血流の改善
・骨や筋肉の修復や再生
・脂肪の燃焼やメタボの改善
・シミやしわ、肌荒れの改善
こうしたさまざまな効果をもたらす基盤には、質の高い睡眠によって体内時計が規則正しいリズムを打ち、睡眠を促すホルモン「メラトニン」が適度に分泌され、自律神経がバランスを保つ、といった身体の健康さがキープされることが挙げられます。
そして、そんな健康な身体には意欲的で安定した精神状態がともなってきます。
睡眠の質への社会的課題
充分な睡眠をとることが大切、ということはもう誰でも知っているでしょう。
とはいえ、わかっていても実行できない難しさがあります。それは、本人の生活のしかたという「自己責任」の問題でかたづけられるばかりではありません。
たとえば、職場での過重労働。
大きなニュースにもなった、ある大手広告代理店では朝6時前に会社に行き、日付が変わってから帰宅することもあったのだとか。そうした職場風土が問題の背景にありました。
ちなみに「国民健康・栄養調査報告」(厚生労働省健康局、2012)によると、20歳以上で睡眠に不満を持つ人の割合は14.9%でした。
睡眠による休養が「あまりとれていない」または「まったくとれていない」と、睡眠に何らかの不満や問題を感じている人の割合です。とくに40歳台では約5人に1人が睡眠に不満を持っていました。忙しい勤労世代の睡眠の質がよくない傾向が続いています。
あるいは、世界中の都市は24時間眠らない街と化しています。
24時間営業のコンビニやクラブ、TV番組にインターネットやゲームなどなど。
睡眠の質を良くするには、「眠り方」ももちろん大事ですが、「働き方」や「生活のしかた」といった「覚醒」の質も、もう一度考え直す必要があるでしょう。
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
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