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「中流」な生活が認知症を招く?
高学歴の人は、仕事上も人づきあいなどから受ける刺激が多い、各界のリーダーとして年をとっても活躍している人が多くいます。
また、高収入の人も自分のために使えるお金が多く、それで、旅行や趣味などさまざまな人生経験をすることで、脳への刺激が多く、認知症になりやすい状態を回避することができます。
反対に低所得の人も、生きるために年をとっても働いたり、家族の世話を自らしたりなど、多くの刺激を受け、活発な生活をしていれば、認知症になりやすくはありません。
つまり、外界からの刺激が少なく、食うに困らず、暇で忙しくない生活というのが、一番認知症になりやすい、危険因子としての生活状態ともいえるでしょう。そんな条件に合うのは「中流」生活をしている人たちかもしれません。
認知症の予防因子:4つのポイント
以上、比較的明証されている「危険因子」について簡単に解説しました。
これと同時に、認知症になるのをいかに先送りにするかという「予防因子」も指摘されています。
生活習慣を改善すること
健康診断による生活習慣病のチェックと早期治療、適性カロリーと減塩による食生活の改善、禁煙と適量のアルコールなどが重点項目に挙げられています。
運動・趣味・各種活動
ウォーキング・ジョギング・サイクリングなど、ゆったりとして激しくない運動の習慣化、趣味や各種アクティビティで生活全般を豊かにすることが奨励されています。
豊かな人間関係
社会的交流を深めて自分の役割や価値を保ち続けること、人間関係を豊かにして生きがいをもって生活することなどが挙げられます。
早期発見・早期治療による重症化の予防
ごく軽い内に対処していくことで、生活の質を保って健康寿命を延ばすことができます。
【参考資料】
・西谷 達也 著『認知症ケアと予防の基本』日本実業出版社
・伊古田 俊夫『40歳からの「認知症予防」入門』懇談者ブルーバックス
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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