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「頑固なワガママ」なのか「クールなこだわり」なのか?
また、高齢者の数もさながら、社会や世界の情勢も、政治・経済・技術・文化それぞれの局面で、目まぐるしく変化しています。年をとって若いころから見慣れてきたものが古くなり、代わって出てきた新しいものを早く取り入れることは、若い人にだって難しいでしょう。
ましてやお年寄りなら尚更です。どうしても古いものにこだわって「保守的」というレッテルを張られてしまいがちですよね。
しかし最近、和食の世界文化遺産登録をはじめ、日本の文化や技術を肯定的に評価する外国人は、以前より増えているように思います。
日本人にとっては古いものでしかないものの新たな価値を、かれらは見出してくれているといえるでしょう。それを造り、維持しているのは「頑固でワガママ」なお年寄りだということ、多々あります。
「頑固でワガママ」は見事に「クールなこだわり」に変貌しているのです。
自分も周囲も「老い」の理解が重要!
お年寄り自身が「古いもの(過去)」にしか目を向けず、若者のやることなすこと全て否定していたら、周囲からは「頑固」としか思われないでしょう。そうではなく、なにか新しいことにチャレンジしてみたら、たとえ上手にできなくても、「頑固」とは思われないでしょうに。
何より、老いて衰えていくことを、マイナスと悔やんでばかりいるのはいかがなものでしょうか。
また周囲の若い人も、上に挙げた外国人の視点を参考に、もういちど、お年寄りを「見直すこと」ができたら素敵でしょうに。
「頑固でワガママ」という観方にとらわれていると、案外、お年寄りから「教わったり」「学んだり」「癒されたり」するチャンスを失うかもしれません。
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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