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ペットボトル症候群と糖尿病
先に述べた症状を見て、気づいた方もいるかもしれませんが、ペットボトル症候群は糖尿病と大きく関係しています。
本来、ケトーシスはインスリンが全く分泌されなくなる1型糖尿病で起こりやすく、インスリンが多少でも分泌されている2型糖尿病では起こりにくいと考えられていました。
ところが、2型糖尿病でケトーシス状態に陥る人が増えはじめるようになりました。
そこで、原因を調べたところ、清涼飲料水を大量に摂取しているという共通点が発見されたのです。
糖尿病やその予備軍の人の中には、「自分は糖尿病(あるいは予備軍)である」という病識がない方もいます。
そのような状態で清涼飲料水を大量に飲むことで、ペットボトル症候群を発症してしまう人が増えたといわれています。
ペットボトル症候群を防ぐ方法
ペットボトル症候群を予防するためには、やはり飲み物の選択がカギとなります。
コーラやジュースにはおよそ10%の糖質(500mlの場合はおよそ50g)、スポーツドリンクにはおよそ5~6%の糖質(500mlの場合はおよそ25g)が含まれています。
これに対して、砂糖・果糖・ぶどう糖などの吸収されやすい糖類の1日あたりの摂取量目安はおおよそ25gです(WHO基準)。
食事や間食にも糖質は含まれるため、水分補給をするときは水やお茶を選ぶようにしましょう。フレーバー入りの無糖炭酸水もおすすめです。
運動時や熱中症対策でのスポーツドリンクは2~3倍に薄めたり、どうしても甘いものを飲みたいときは、成分表示を確認し、できるだけ糖質が少ないものを選ぶ癖をつけましょう。
ペットボトル症候群の患者は、10~30代の男性に多いことがわかっています。
ただ、これに該当しないからといって、リスクがないわけではありません。
夏になると、どうしても冷たくて甘い食べ物や飲み物に手を伸ばしてしまいたくなりますが、自分の身体のためにも、飲み物選びを見直してみてください。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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