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執筆:伊坂 八重(メンタルヘルスライター)
医療監修:株式会社とらうべ
他人がマイナスな感情を発していると嫌な気分になったり、また、そんな自分の状態から抜け出せなくなったりすることはありませんか?
これは、どうして起こることなのでしょうか。
今回はこのことについて、ご一緒に考えてみたいと思います。
共感性と過剰同調性
「他者の感情を理解し、他者の感情を共有すること」を「共感」といいます。
また、他者に対して共感する能力が高いことを「共感性が高い」などと表現します。けれども、あまりにも他人の感情に引っ張られてしまい、自分までそこから抜け出せなくなってしまう場合は、単純に「共感性が高い」のではなく、「過剰同調性」が高い可能性があります。
日本神経学会認定医の長沼睦雄氏は著書『敏感すぎる「自分」を好きになれる本』の中で、過剰同調性と共感性は「似て非なるもの、全く別物」とした上で、それぞれを次のように説明しています。
共感性
・相手の気持ちや感情、考え方に「共鳴する」状態
・同じ周波数の音叉を2つ並べた状態で片方を鳴らすと、共鳴してもう一方の音叉が共鳴するように、あくまでも一つひとつは独立した存在である
・一方が他人に同化して一体となることはない
過剰同調性
・自分の中に相手が入り込んでしまう状態
・いったん相手が入り込むと、相手の考えや思いで自分の中がいっぱいになってしまう
つまり、他人の感情に引っ張られるあまりに、そこから抜け出せない状態になるのは、過剰同調が起きていると考えられるのです。
では、なぜこのようなことが起きてしまうのでしょうか?
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