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なぜ過剰に同調してしまうのか
過剰同調性という現象が起こる理由として、長沼医師は自分と他人との境界線のなさ(あるいは薄さ)を挙げています。
多くの人は、自分と他人の間には境界線があり、他人がマイナスな感情を持っている場合、他者の感情に共感はしつつも、「相手の中で起こっていること」と自分の気持ちとは切り離して考えることができます。
これは、自分を他人から守るためのひとつの手段でもあります。
ところが、過剰同調性が高い人の場合は、このような境界線がない、あるいはあったとしても薄いために、相手の感情が自分の中に入ってきてしまい、自分までマイナスな気持ちになってしまったり、相手のストレスをもらって自分まで落ち込んでしまうと考えられます。
過剰同調性が高い人とは?:HSPの例
長沼医師は同著の中で、過剰同調性が高い人として「HSP(Highly Sensitive Person):ハイリー・センシティブ・パーソン」を挙げています。HSPとは生得的に「とても敏感な」気質を持っている人のことを指します。
病気などではなく、あくまで気質であり、「どの社会にも15~20%の割合でHSPはいる」といわれています。
HSPはその敏感な感性と直観力から、芸術家や科学者などで活躍している人にも多い一方、自分の神経質さに悩まされたり、生きづらさを感じている人もいるといわれています。
HSPの特徴のひとつとして、自分と他者との境界線がうまく作れず、過剰同調性が高いことが挙げられています。周囲の感情に敏感なため、他人の気持ちに大きく左右されてしまうのです。
HSPが他人との境界線がうまく作れなくなる理由として、その繊細さから些細な言葉や態度に傷つきやすく、相手の気持ちを考えるあまりに自分の感情を表出することができないことから、トラウマを作りやすいこと、また、このようなトラウマから自己肯定感が低く、自己主張がうまくできないことなどが関係していると考えられています。
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