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大人の食物アレルギー、原因となる食物
食物アレルギーの原因と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、鶏卵や牛乳、小麦などではないでしょうか?
実際、これらの食品は食物アレルギーを引き起こしやすいもので、とくに有病率が比較的高い0~3歳までの即時型食物アレルギー(原因となる食物を摂取してから2時間以内にアレルギー症状が出るもの)の原因のうち、上位3位を占めています。
中でも鶏卵が原因で症状が現れる割合は高く、0歳児の56.5%、1歳児の43.7%が鶏卵を原因とする食物アレルギーです。
一方、20歳以降の原因を見てみると、以下のような結果になっています。
・1位:小麦(36.4%)
・2位:甲殻類(13.9%)
・3位:魚類(11.3%)
・4位:果物類(7.9%)
・5位:ソバ(6.0%)
この結果から子どもの食物アレルギーとは原因となる食物に大きな違いがあることがわかります。
※出典:『食物アレルギーの診療の手引き2014』
大人の食物アレルギー、症状
食物アレルギーになると、皮膚のかゆみや赤みなどの皮膚症状、くしゃみや鼻水、目の充血などの粘膜症状、腹痛やおう吐・下痢などの消化器症状、喉頭の絞扼感(こうやくかん;締めつけらる感じ)や喘息などの呼吸器症状、頻脈や意識障害などの全身症状など、さまざまな症状が現れます。
ただし、これも年齢よって現れやすい症状に違いがあります。
たとえば、新生児や乳児に見られる「新生児・乳児消化管アレルギー」では、おもに牛乳などが原因で下痢やおう吐などの症状が出ます。また、新生児期には食物アレルギーが関係してアトピー性皮膚炎の症状が出ることもあります。
一方、大人の食物アレルギーの特徴として、次のものが現れやすいといわれています。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
原因となる食物を摂取した後に運動をすることでアナフィラキシー(複数の臓器にアレルギー症状が現れること)を起こします。
非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)や一部の食品添加物、アルコール、入浴などが悪化させる因子になると考えられています。
口腔アレルギー症候群
唇や口腔内の粘膜に果物や野菜などが接触することで、じんましんの症状が現れるもの。
花粉症やラテックス(ゴム)アレルギーがある場合に特定の食物を摂取すると、それぞれの抗原(アレルギーの原因となる物質)が反応を起こして症状が出ることがあります。
鶏卵や牛乳、小麦などによって発症する子どもの食物アレルギーの場合、徐々に免疫ができていき、高い確率で症状が寛解(落ち着く)していきます。
ところが、大人の食物アレルギーは、原因となる甲殻類や魚類に対して耐性を作ることが難しく、寛解する可能性は低いと考えられています。そのためにも、大人になってからの発症は防ぎたいもの。では、予防する手立てはあるのでしょうか?
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