(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
食物アレルギーの予防
現在、食物アレルギーの予防法についてさまざまな研究が行われていますが、今のところ完全に予防する方法は確立されていません。
そのため、まだ発症していないうちは、過度に食事を制限する必要はありません。栄養が偏り免疫力が低下すると、かえって発症しやすくなりますから、バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。
また、免疫力を高めるためには運動も不可欠ですが、先に述べたように原因となる食物を摂取した後に運動することで、症状が出ることもあります。
ですから、食後に運動してアレルギー症状が出た場合は、食物アレルギーの可能性を疑い、受診するようにしましょう。食物依存性運動誘発アナフィラキシーの場合は、食後2時間以内(できれば4時間以内)の運動を避けるなどで、症状を回避させられる可能性もあります。
このほか、スキンケア製品など皮膚に触れるものにも注意をしましょう。
以前、小麦を使ったスキンケア製品が原因で食物アレルギーを発症したケースがニュースになりましたが、これまでの研究で、原因となる食物に皮膚が触れることでも食物アレルギーを発症することのあることが分かってきました。
そのため、皮膚に触れるものが原因で食物アレルギーを発症することがあると頭に入れておき、もし、スキンケア製品を変えた後にアレルギー症状が出た場合は、使用を中止して医療機関を受診しましょう。
なお、食物アレルギーは全身に症状が出て、ひどい場合には意識障害などを起こす可能性があるため(アナフィラキシーショック)、食物アレルギーが疑われる場合、必ず医療機関を受診し、検査を受けるようにしてください。
【参考】
・厚生労働省『食物アレルギーの診療の手引き2014』(http://www.foodallergy.jp/manual2014.pdf)
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
スポンサーリンク