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サウナの健康効果
人々の心身を癒す存在だったサウナは、その健康効果についても多くの関心を集め、フィンランド国内のみならず、世界中でさまざまな研究が行われてきました。
なかでも、広く認められている効果は、サウナの熱による温熱作用です。
温熱作用は、血流を良好にして疲労回復を促進すると考えられています。
血液は、身体中の細胞に酸素や栄養を送るとともに、二酸化炭素や老廃物を回収する役割も担っています。
そのため、サウナの温熱作用で血管が拡張し血流が良くなると、細胞に必要な酸素・栄養が広く浸透するようになります。
同時に、老廃物も排出されやすくなり、疲労の回復につながります。
一般的な湯船に入る入浴法(温水浴)でも効果はあるのですが、湯舟につかると、腹部に水圧がかかり横隔膜が押し上げられるため、肺や心臓に負担がかかります。
その点サウナは水圧がありませんから、身体に負担をかけずに温熱作用の疲労回復効果を得ることができるのです。
治療にも使われるサウナ
一方、サウナの温熱作用は治療法としても応用されています。
これが、鹿児島大学の鄭忠和教授らが開発した「和温療法」という治療法です。
和温療法は、慢性心不全の患者に対する温熱療法として開発され、乾式遠赤外線均等サウナという装置を用います。
この療法では、サウナ装置で60℃に設定した和温部屋にて15分間全身を温め、深部体温(身体の内部の温度)を平均1.0℃上昇させます。
その後、安静にしながら30分間ほど保温効果を持続させ、最後に発汗量に見合った水分を補給します。
和温療法を症状に合わせて継続することで、血管が拡張して心臓の拍出量(1回の心拍で送られる血液量)が増加し、心機能の改善に効果を発揮すると考えられています。
このような治療法の開発を受け、現在では、他の治療効果の可能性を探るため、さらなる研究が進められているところです。
ところで、最近入浴施設やスポーツジムなどでミストサウナをよく見かけるようになりました。
このミストサウナ、健康効果という観点からは、一般的なサウナ(乾式サウナ)や温水浴とどのように違うのでしょうか?
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