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執筆:山本 ともよ(管理栄養士・サプリメントアドバイザー・食生活アドバイザー)
医療監修:株式会社とらうべ
いま、サバ缶が売れています!
大手メーカーの売上高は前年比3~5割増…昨年末にはカツオ缶を抜き、魚介系缶詰ではツナ缶に次ぐ第2位に浮上する勢いです。
日本経済新聞ではこれを、高い栄養価と原料の水揚げ・価格の安定、テレビの健康番組などでダイエットや健康効果について放映されたことが背景にあると分析しています。
そして、3月8日は「サバの日」です。
そこで今回はサバとサバ缶の魅力にについて探っていきましょう。
サバの栄養価
日本の食文化に欠かせないサバ(鯖)は青魚の代表格です。
近海ものではマサバやゴマサバ、輸入物ではタイセイヨウサバがメジャーです。
生・干物・サバ節そして缶詰などに加工され流通しています。
また、料理では塩焼き、シメサバ、味噌煮など和食の定番といえる食材です。
味の美味しさとともに、健康効果が高いこともサバ人気の理由でしょう。
サバのおもな有効成分と効用は次の通りです。
豊富な脂質。青魚のなかでもEPAやDHAの含有量は群を抜いている
EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)は、青魚の脂に多く含まれている栄養素です。
どちらもヒトが生きていくうえで不可欠な必須脂肪酸です。体内で合成できないため食物などから摂取する必要があります。
EPA・DHAは中性脂肪を減らす作用があると報告されています。
中性脂肪は、食事で摂取したエネルギーが消費されず余ってしまうと肝臓で合成され、肝臓や脂肪細胞に蓄積されます。
EPAやDHAは脂質の脂肪産生を抑制し脂肪酸を分解するので、ダイエットや生活習慣病の予防に有効だとして期待されているのです。
また、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やす、というコレステロールのバランスを整えて動脈硬化を防ぐ働きもあります。
ビタミンB12が豊富
ビタミンB12は、神経や血液、細胞を健康に保ち、遺伝物質のDNA生成にも不可欠な栄養素です。
貧血を予防してくれる効果もあります。
ビタミンB12が欠乏すると、疲労、体力低下、便秘、食欲不振、体重減少、貧血や神経症状(しびれ、手足のチクチクとした痛みなど)などが起こります。
さらに、平衡感覚障害、精神錯乱、記憶力の低下といった症状も指摘されています。
乳幼児では運動障害や成長遅延が起こる可能性もあるといいます。
成人の推奨量は1日あたり2.4マイクログラム。サバの水煮缶は、可食部100gに12マイクログラム含まれています。
ビタミンDも豊富
ビタミンDは「カルシウムやリンの吸収を促進する」、「血液中のカルシウム濃度を保ち丈夫な骨をつくる」などの働きを持っています。
欠乏すると成人では骨粗しょう症や骨軟化症、小児ではくる病などの症状が出る場合があります。
ただし、過剰摂取も問題で、高カルシウム血症や腎障害などを引き起こすこともあります。
成人の耐容上限量は1日100マイクログラム、目安量は5.5マイクログラムとされています。
サバの水煮缶では、可食部100g当たり11マイクログラム含まれています。
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