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執筆:山本 恵一(メンタルヘルスライター)
短気とは「辛抱ができなくて、すぐに苛立ったり怒ったり飽きてしまったりする性格」を表しています。
「キレやすい」というのもこの性格の現代的特徴だといえるでしょうか。のんびりしていて、焦らない性格の「気が長い」の対義語です。
この短気、場合によっては単純に「性格」という一言で片づけられない場合もあります。
短気と精神疾患には関連性があるのでしょうか?詳しく見ていくことにしましょう。
病前性格
かつて精神医学では、精神疾患は性格と強く関連していると考えていました。その古典的な研究にドイツ人精神科医クレッチマーの『体格と性格』があります。
ここでは、体型と関連づけられた性格(より正確にいうと「気質」と云います)が3つのタイプに分けられ、それぞれ代表的な精神疾患名をとって、分裂気質・躁うつ気質・粘着気質と名づけられています。
精神疾患と直接的にリンクしているわけではないものの、性格と精神疾患との関連性を意識した命名になっています。
こうした考え方に影響を受けて、たとえば、典型的な器質性のうつ病「メランコリー性うつ病」は、真面目・几帳面・責任感が強い・従順などを特徴とする性格タイプとの相関が高いことがわかってきました。
このような性格タイプは、「メランコリー親和性」と呼ばれていて、これを「病前性格」と呼んできたのでした。
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