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執筆:井上 愛子(保健師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
「朝、起きるのがつらい」「なかなか起きられない」こういったことはありませんか?
ゆっくりと起きられるのならいいですが、そうは言っていられないことも多いでしょう。起きたいのに起きられない原因は、意志が弱い、怠けているせいだけではありません。
その原因を知り、すっきり目覚めて気持ちの良い朝を迎えましょう。
睡眠のリズムと睡眠時間
ヒトの睡眠は、脳が休息している深い眠りの「ノンレム睡眠」と、身体が休息している浅い眠りの「レム睡眠」がセットになり、4~5回繰り返しています。
この1セットは約90分で、睡眠時間としてはおよそ6~7.5時間になります。なかにはこの時間より短くても大丈夫な方もいますが、健康を保持するためには7~8時間の睡眠時間が必要ともいわれています。
そして睡眠の中で最も深い眠りに入るのは、眠りについてから3時間ほどで、その後はだんだんと浅い眠りになっていきます。
この深い眠りが妨げられたり、睡眠の時間がとれないことで身体と脳は充分に休めずに、起きるのがつらい、起きられないといったことが起きるのです。
また疲れがたまっていたり、睡眠不足が続くと、より睡眠時間が必要になり、朝起きられなくなる原因となります。
睡眠の質を上げて朝すっきり目覚める
「睡眠時間は充分にとっているのに、朝起きられない」このような場合は、もしかしたら「睡眠の質」が影響しているのかもしれません。
睡眠の質が下がると、時間としては十分に睡眠をとっていても脳や身体が充分に休めません。
では、睡眠の質を下げるものをみていきましょう。
睡眠時の環境
質の良い睡眠には、自分に適した寝具であることが重要になります。枕の高さが合わない、マットが身体に合わないことは、睡眠の質を低下させます。
また寝室の環境(静かさ・明るさ・温度)も睡眠に影響を与えます。とくに明るさ、光は睡眠にとって重要です。
夜間に明るい状況で眠ることは、睡眠ホルモンとよばれる「メラトニン」の分泌を抑制するといわれています。
入眠前の飲酒・食事
お酒を飲むと眠くなり、ぐっすりと眠れた感じがします。
ところが、実際にはアルコールを分解する際につくられる「アセトアルデヒド」という物質が、脳を興奮状態にするため睡眠を浅くします。
また、入眠前の食事も胃腸の活動が活発になり、睡眠を妨げる原因となります。
体内時計の乱れ
身体には体内時計があり、体内時計によって眠る時間と起きる時間が決まっていきます。この体内時計の乱れは、夜に寝付けず、朝起きられないことにつながります。
休日に夜遅くまで起きて、休みの日は昼まで寝ていることはありませんか?
不規則な生活が体内時計の乱れる原因となります。また、短時間の昼寝はいいのですが、長時間昼間に睡眠をとることも体内時計の乱れとなり、夜間の睡眠の妨げになります。
ストレス・自律神経の乱れ
ストレスがあるときに、寝付けなかったり、夜間に起きてしまう経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
過剰なストレスや極度の緊張状態は、身体の機能を調整している「自律神経」のバランスを崩してしまいます。本来、眠るときは身体をリラックスさせる「副交感神経」が働くのですが、「自律神経」が乱れることで、身体を活性化させる「自律神経」が働きます。
そのため、眠ろうとしても身体が休息モードに入ることができず、眠りが浅いものになってしまうのです。
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