(※記事中の語句のリンクは、その語句について詳しく解説したMocosuku姉妹サイトが開きます)
執筆:井上 愛子(保健師、看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
家族や友人に歯ぎしりを指摘され、ショックを受けたことはありませんか?
寝ている間、自分では気がつかないうちにしてしまう歯ぎしりは、原因の多くがストレスと言われています。
放っておくと、さまざまな歯のトラブルにつながる歯ぎしり。
その詳しい原因と対処法を知りましょう。
そもそも歯ぎしりとは?
「歯ぎしり」と聞くと、寝ている間に歯が擦れ合い「ギリギリ」「キリキリ」といった音を立てている様子を思い浮かべます。
しかし、歯ぎしりは必ずしも音が出るわけではなく、歯をぐっとくいしばったり、噛みしめたりすることや、歯をカチカチ鳴らすことも意味します。
起きている時も、無意識に行っている場合があり、とくに何かに集中したり、強い力を出そうとする時、つい歯ぎしりをしている人は少なくありません。
ところで、人間の噛む力は、どれくらいの強さかご存知ですか?
性別や個人による差もありますが、なんと自分の体重と同等か、それよりも強い力があります。
つまり体重50㎏の女性でも、ぐっと噛みしめると、奥歯には50㎏かそれ以上の力がかかっているということです。
普段の食事では、噛む力を半分~4分の1程度に調節していますが、寝ている間の力は意識してコントロールすることはできません。その結果、睡眠中の歯ぎしりは、身体中にさまざまな悪影響を及ぼしています。
歯ぎしりの悪影響
一晩に数分程度の歯ぎしりであれば問題ありませんが、強い圧力で何十分も歯をくいしばっている状態が続くと、歯がすり減ったり、噛み合わせが悪くなってしまうといった悪影響がでます。
また、朝起きたとき顎が疲れているように感じたり、食事をするときに口を開けにくいなどの症状がでることも少なくありません。
ひどい場合は、歯が欠けてしまったり、折れてしまったりすることもあります。
さらに、口を開いた時にあごが鳴ったり、痛みが出たりする顎関節症(がくかんせつしょう)や、歯ぎしりをすることで身体の筋肉も緊張状態が続き、肩こり・腰痛などが起こり、頭痛に至る場合もあります。
つまり、歯ぎしりは、歯がダメージを受けるだけでなく、全身に負担を与える可能性があるのです。
ではなぜ、人は歯ぎしりをしてしまうのでしょうか。
スポンサーリンク