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執筆:森 ジュンヤ(理学療法士)
長時間座る・立つといったときの姿勢は、ときに腰痛や肩こりの原因につながるといわれます。
それは姿勢が血圧や筋肉の緊張と深い関係があるからです。今回は「理想的な座り方・立ち方」についてご紹介いたしましょう。
姿勢はあなどれない!からだに及ぼす影響は意外に大きい
よい姿勢・わるい姿勢。今回のテーマは座っているとき、あるいは立っているときの「姿勢」がテーマです。
姿勢は腰痛、肩こり、頭痛などの原因につながります。
近年のライフスタイルでは、生活にしても仕事にしても長時間座ったまま、立ったままの姿勢になりがちです。
長く同じ姿勢をキープしつづけること、とくにその姿勢がわるいとき、からだにかかる負担は一般に考えられている以上に大きいものです。
姿勢がからだにあたえる影響として、血圧、心拍数、脈拍などの変化があります。
たとえば座っている姿勢ひとつとっても、脚を伸ばして座るか、椅子に腰掛けるように膝を曲げた状態で座っているかといったちょっとした姿勢の違いでも血圧、心拍数、脈拍あるいは血流などへの変化がみられることがわかっています。
ところで、肩こり・腰痛は日本人が自覚する症状のなかでもトップ2といわています。
男性でもっとも多いのが腰痛、次に肩こりです。女性では肩こりがもっとも多く、次いで腰痛とされます。
肩こり・腰痛の原因のひとつが姿勢不良によるものです。真っ直ぐに立ったときの姿勢に比べて30度くらい前かがみになると腰にかかる負担は約1.5倍大きくなります。
椅子に座っているときも同じく約1.5倍です。さらに座った状態で前かがみになると、立っているときより1.85倍も腰にかかる負担が大きくなります。
姿勢は肩や首にも影響します。
背中が丸くなる猫背の場合、頭が前に突き出した状態になりやすいです。一般的な大人だと頭の重さや5〜6kgほどなので、これは2Lペットボトルの3本分くらいの重さです。
これだけの重さがありますから、前に突き出してしまえば支える首の筋肉が頑張ってはたらくことになります。
筋肉がギュッと収縮した状態が長くつづくと、血流がわるくなり筋肉はかたくなります。これが頭痛や肩こりの原因になることがあります。
こうしてみると、姿勢がからだに及ぼす影響は軽く見過ごすことができないものです。通勤中、仕事中、よい姿勢を意識しておくことは、肩こりや腰痛、頭痛といった不快感を予防できる可能性が高くなります。
では、具体的にはどんな座り方や立ち方に気をつけていればいいのか、理想的とされる姿勢についてみていきたいと思います。
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