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涙と汗の違い を知っていますか? 労力と時間をかけてできあがったものを「汗と涙の結晶」と呼ぶことがあります。身体から排出される部位は違っていても、汗も涙もなめるとしょっぱく、どちらも似ているもののように見えますよね。特に夏は、運動をしなくても簡単に汗をかいてしまうシーズン。だらだらと流れる汗には、どんな効果が含まれているのか気になる人もいるでしょう。
いったい汗と涙にはどのような違いがあるのでしょうか?

 涙と汗の違い って?



ご存知の通り、涙と汗はそれぞれ「涙腺」や「汗腺」から分泌されます。みなさんのなかにも汗が目に入ってしみたことがある人もいるでしょう。汗は目にしみるのに、涙は目から出てきてもしみることはありません。涙も汗もどちらも塩辛い味がしますが、含まれている成分が違うのです。

涙:塩化ナトリウム、カリウム、アルブミン、グロブリン

汗:塩化ナトリウム、尿素、アンモニア、カルシウム(脂肪酸、糖質、鉄分、乳酸)



涙の成分は90%以上が水で、残りは塩化ナトリウムやカリウムなどの電解質や、アルブミン、グロブリンなどのタンパク質です。 汗には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2つの種類あります。エクリン腺は、体温を調節するための汗腺で身体全身に分布しています。そしてアポクリン腺は脇の下や足の裏など特定の部位にある汗腺で、緊張状態にあるときやストレスを感じたときに分泌されます。アポクリン腺から出される汗は、エクリン腺に含まれる成分に加えて、脂肪酸や糖質などを含んでいます。

涙と違うのは、汗にはアンモニアや尿素などの成分が含まれていることです。汗が目にしみるのはこれが理由です。

また、よく夏になると「汗臭い」なんて言われることがありますが、汗自体にはニオイはないといわれています。汗をかいて時間が経つことで皮膚表面の常在菌が汗で繁殖することで臭うようになるのです。

 涙と汗の違い :汗がもたらす効果や役割

体温調節をする

気温が上昇したり、スポーツをしたり、風邪などを引いて体温が高くなったときに発汗します。身体や脳をクールダウンさせるための身体の仕組みとして、汗が排出されるのです。そのため、制汗剤などで必要以上に汗を抑えると、汗腺の機能を退化させ、熱中症になりやすくなったり、新陳代謝が悪い身体になったりする恐れがあります。 ほかにも、男性の汗はフェロモンとして機能するという説もあります。汗から異性を惹きつけるフェロモンが出ていると考えると、とても動物的な反応ですね。

 涙と汗の違い :涙がもたらす効果や役割

角膜や結膜への栄養補給と保護

まぶたを動かしやすくする潤滑材

紫外線や細菌などから守る

雑菌を消毒する



汗が体温調節をする一方で、涙には目を守る働きがメインです。「玉ねぎを食べたら目がしみて涙が出る」という人もいるでしょう。これは、玉ねぎを切ったときに発生する「硫化アリル」という物質が原因です。硫化アリル(気体)が目に届くと、目を傷つけないようにしようとして涙を流します。

また、目に入ったゴミや埃などを排除したり、雑菌を消毒したりする役割も担っています。

同じ体液といえ、涙と汗では成分も役割も違うことがわかりました。涙も汗も身体にとって大事な機能のひとつです。特に夏場は制汗剤で汗を抑えがちですが、体温調節を正常な状態にするためにも、行き過ぎないよう気を付けるようにしましょう。

監修:坂本忍(医師)

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