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睡眠障害からくる熟眠障害
熟眠障害(不眠症)自体がすでに睡眠障害ですが、他の睡眠障害が熟眠障害をもたらします。
「睡眠障害国際分類第2版(ICSD-2)」では、睡眠障害として「不眠症」はじめ、さまざまな睡眠障害を分類しています。
この中で、熟眠障害の原因として挙げられているものは、次の2項目です。
逆説性不眠症(不眠症の一つ)
本人は眠れなくて困っていると悩み、医師に相談したりするのですが、検査では睡眠障害の証拠がみられないケースを指します。
この場合も、睡眠の質は低下して深い睡眠が減っているとか、実際には目覚めていないけれども「眼覚めようとする覚醒反応:CAP」が脳波検査ではみられるという傾向があるとのこと。
そして、背景にうつ病や神経症的な意識過剰、あるいは妄想的な解釈があるといった病気も想定されます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠障害では「睡眠関連呼吸障害」に分類される「睡眠時無呼吸症候群」。
呼吸が止まってしまう「無呼吸」や、1回の呼吸量が減る「低呼吸」など、眠っているあいだに呼吸障害が起きているケースです。
この場合も本人には、睡眠の質が下がっているのに眠れていない自覚がなく、日中に居眠りなどをしてしまうケースがよくあります。
熟眠障害:周囲が気づかせてあげよう!
他の不眠症と違って、自覚が難しい「熟眠障害」。
パートナーや周囲の人が、指摘したり注意したりして、気づかせてあげることが早期対応につながります。
そして、本人が熟眠障害を認めたら、睡眠外来などを受診したり、カウンセリングを受けるとよいでしょう。
【参考】
坪田聡『不眠症の科学』サイエンス・アイ新書、2011.
<執筆者プロフィール>
山本 恵一(やまもと・よしかず)
メンタルヘルスライター。立教大学大学院卒、元東京国際大学心理学教授。保健・衛生コンサルタントや妊娠・育児コンサルタント、企業・医療機関向けヘルスケアサービスなどを提供する株式会社とらうべ副社長
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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