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食べる機能を保つために
では、いつまでも口から食べ続けられるようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
生活習慣を改善する
摂食・嚥下障害の主な原因となる脳血管障害は、動脈硬化、高血圧、糖尿病などの病気によって発症のリスクが高まります。
これらの病気は生活習慣病ともいわれ、喫煙などを含む生活習慣の改善が必要です。
嚥下にまだ問題がない頃から、栄養バランスのとれた3食の食事、適度な運動やしっかりとした睡眠、禁煙などの生活習慣を心がけましょう。
口腔内のトラブルを防ぐ
口から食べるためには噛む力を維持すること、口腔内のトラブルをなくすことも大切です。
歯を失ってしまう原因となる虫歯や歯周病の予防、定期的なメンテナンスは欠かせません。
かかりつけの歯科医をもち、定期的に診てもらうようにしましょう。
摂食・嚥下のトレーニング
加齢とともに噛む力や飲みこむ機能は低下します。
また、口、舌、顎などを動かさないことでも筋肉や関節の機能は低下し、飲み込む力は失われてしまいます。
食べる機能に関連した筋肉を鍛えるトレーニングは、誤嚥を防ぎ、食べる力を維持することに有効です。
医療の現場でも口から食べることは重要視され、嚥下機能障害がある場合、理学療法士が状況に適した運動療法などの理学療法技術を行い、食べる機能を高める役割を担ってくれています。
早めの相談を
飲み込む時にむせたり咳込んだりする、食事中に声がかれる(声が変わる、ガラガラ声になる)、食べるのに時間がかかる、しゃべりにくいなどの症状がみられる場合は、誤嚥のリスクがあり注意が必要です。
誤嚥性肺炎を予防するためにも、このような症状がみられる場合、早めに医師に相談することをおすすめします。
食べる力を損なうことなく、いつまでも「口から食べること」ができるようにしたいものですね。
<執筆者プロフィール>
吉村 佑奈(よしむら・ゆうな)
保健師・看護師。株式会社 とらうべ 社員。某病院での看護業務を経て、現在は産業保健(働く人の健康管理)を担当
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
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