アスペルガー症候群

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アスペルガー症候群を知っていますか?

「アスペルガー症候群」は、「相手の気持ちを理解する」「感情表現が苦手」といった特徴を持つ発達障害の一種です。知的障害を伴わない「自閉症」(自閉スペクトラム症)と言われることもあります。実は、過去の偉人やさまざまな分野で活躍する著名人にアスペルガー症候群の人が多いという調査データもあり、近年注目を集めています。ここでは、その症状と原因を紹介します。  

アスペルガー症候群の症状 : 知的障害を伴わない自閉症

症状は自閉症(自閉スペクトラム症)と共通する部分が多く、「周囲とのコミュニケーションが困難」「関心・興味の対象が限定的で日常生活のルーチン化を好む」という点が顕著に現れます。相手の気持ちを想像することや、その場のふさわしい言葉を選択することが苦手で、自分の知っていることを一方的に話し続けるといったケースも見られます。

周囲とのコミュニケーションが困難

言葉の発達の遅れはありませんが、自分の気持ちを相手にうまく伝えることや、相手の気持ちを理解することが苦手です。相手やその場に合った言葉の使い方や話し方を判断する力が弱いため、周囲との交流が困難になります。

関心・興味の対象が限定的で日常生活のルーチン化を好む

例えば電車に強い興味を抱き、電車の名前や駅名などを事細かに記憶できる一方で、実際に電車に乗ることには関心がないなど、興味の方向性が限定的です。また、動作や習慣の順序など、自分の定めたルールにこだわり、いつもと生活パターンが異なることを極度に嫌います。  

アスペルガー症候群の症状 : 誤解されやすい症状

アスペルガー症候群は知的障害を伴わないため、問題を抱えていることが発見されにくいという特徴があります。周囲とのコミュニケーションが苦手といった症状は性格や個性として考えられ、親のしつけの問題だと誤解や偏見を受けることも少なくありません。顔の表情を変えたり、ジェスチャーを交えて話したりすることが苦手なので、周囲と交流する上でハンディキャップとなります。また、動作がぎこちなくなり、グループ内でいじめの対象になりやすい傾向もあります。  

アスペルガー症候群の症状 : 解明されていない発症原因

アスペルガー症候群のはっきりとした発症原因やメカニズムは解明されていませんが、自閉症同様と同様に、心の病気ではなく身体(脳・神経)の問題と考えられています。胎内での中枢神経系の発生時に何らかの問題が生じたためと考えられています。幼少時の親のしつけや愛情不足などは原因ではありません。アスペルガー症候群の発症頻度は、1000人中数名程度。男女比では男子に多いとされています。  

アスペルガー症候群の症状 : 意外と多い? アスペルガー症候群の著名人

昨年12月、イギリスのオーディション番組が生んだ女性歌手スーザン・ボイルが、自らをアスペルガー症候群だと告白しました。また、明確な診断があったわけではありませんが、エジソンやアインシュタイン、ベートーベンなど、歴史的な偉業を成し遂げた人物の中にも、アスペルガー症候群を抱えていたと思われる人がいます。近年では、スティーブン・スピルバーグやスティーブ・ジョブズ、ビル・ゲイツなども挙げられています。

【アスペルガー症候群】

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